10 聴覚の障害における聴力レベルと最良語音明瞭度について

障害認定基準で1級は両耳の聴力レベルが100㏈以上のもの、2級で両耳の聴力レベルが90㏈以上のものとされる。これは聴力が正常なものの聴覚閾値(音が聞こえる最小値)を0㏈とした場合の音が聞こえる最小の値を聴力レベルといいます。そして診断書には横軸を周波数、縦軸を聴力レベルを記載したグラフが描かれる。

ではどのような方法で検査するのであろうか。

実は健康診断でやったことはおありでしょうが音が聞こえているときボタンを押したままにし、聞こえなくなったらボタンをはずします。そして音は初めは大きくだんだん小さくしていき聞こえなくなるとボタンをはずす仕組みです。これによって得られた値(500Hz・1000Hz・2000Hz)を使って平均純音聴力レベル値を算出します。したがってこの値が0近かければ正常であり、大きい値になれば障害となります。

次に最良語音明瞭度とはどれだけ正確に聞き取れるか(語音弁別能)をいう。2級で平均純音聴力レベルが値が80㏈以上でかつ最良語音明瞭度が30%以下のものを言う。3級で両耳の平均純音聴力レベル値が50㏈以上でかつ最良語音明瞭度が50%以下のものを言う。そして診断書には横軸に聴力レベル、縦軸には語音明瞭度を記載したグラフが描かれる。

では語音聴力検査とはどのような検査を言うのか。

ここでアイウエオなどの常音節や、2~7までの数字を音源とし書く聴力レベルでどのくらいの正答率が得られるかで判断します。

ちなみに正常の場合は30㏈でほぼ100%の正答率が得られます。