呼吸器疾患の障害について

呼吸器疾患による障害の認定の対象は肺結核・じん肺・気管支喘息を除いてほとんどが慢性呼吸不全である。そこで慢性呼吸不全について簡単に述べてみたい。

まず呼吸とは酸素を取り入れて二酸化炭素を排出する過程のことを言う。つまり肺の末端にあるガス交換機から赤血球が酸素を受け取り細胞に運び、細胞から二酸化炭素を受け取りガス交換機に運びます。

この過程に異常が生じ動脈血酸素分圧(1気圧760Torr 基準値80~100Torr)が低下した場合を呼吸不全(60Torr以下)といい、呼吸不全の期間が30日以上を慢性呼吸不全といいます。

次に肺活量について検討します。

ここで肺活量(実測値)は最大吸気位から最大呼気位までの肺気量のことを言います。

肺活量を検討するのはどれくらいガス交換機に酸素を送り込めるかを図るためである。

そして予測肺活量とは性別、年齢、身長などにより算出される肺気量のことを言います。

ここから実測値が80%以上ならば正常といえます(%VC)。

次にできるだけ早く吸って吐く努力肺活量がある。

これは閉塞性障害では吐き出すことが困難となるので実測値より小さくなる点に意味がある。

そして1秒間で吐き出せる量(1秒量)を予測肺活量で除したものを予測肺活量1秒率といいます(基準値70%以上)。

これらを算定した上で慢性呼吸不全の障害等級を判断します。