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初診日証明について

初診日証明について検討する。

初診日の証明をする場合は転医がない場合は診断書で転移がある場合は受信状況等証明書で行うのを原則とする。このような医証はカルテにもとずいて記載がなされることから証拠能力(証拠となりうる資格)が与えられるのである。そしてカルテは医師法により記載を義務ずけられ日々の業務に基づき記載されるから誤りが入り込みにくく信用性が高い。それゆえ医証に疑問があれば当事者に照会をかけなお疑問ならばカルテを調査すればよいことになる。

ではカルテが廃棄された場合はどうするか。カルテの保存期間は5年であることから問題となる。

まず受信状況等証明書を添付できない申立書を作成し転医先の病院で初診日証明を行いできなければさらに次へという方法をとる。カルテによる証明である点信用性は高いが証明をするのはなかなか困難である。

なぜ証拠方法を医証に限定するのでしょうか。訴訟手続きと比較してみるとわかりやすいです。

まず、行政手続きは専門的技術的機関が簡易迅速に国民の権利を保護する目的を有します。これに対し訴訟手続きでは強制的終局的な紛争解決手段であるため当事者の手続き保証が重視されます。それゆえ証拠方法は違法収集証拠でもない限り原則として制限はありません。ただしそこに誤りが入り込んでいないかを供述証拠ならば主尋問反対尋問の過程を経て確かめなければなりません。

このような過程を踏めば行政手続きの簡易迅速な解決はできなくなります。そこで信用性が高い医証に限定されています。これが逆に障害年金の支給を困難にしているのです。

2015年10月の改正ではかなり実質的証明の方法が取り入れられました。

第三者証明・一定の期間に初診日があれば初診日を認める方法・カルテに本人申し立てで初診日が記載されていれば認めることができる方法。

このように証明方法はひろがりましたがそれでも証明できない場合はあります。

これは証明の方法ではないのですが行政手続法では受理の概念をなくし要件がないことで却下する運用になりました。とすると堂々と申請し訴訟手続きに持ち込む方法があります。この中で困難な点はどう初診日を医証なく証明するかです。実際には相当な困難が想定されます。