障害年金と初診日の関係

 原則として初診日に国民年金・厚生年金に加入し、障害年金支給要件を満たしている場合に障害年金は支給されます。そして国民年金は第一号被保険者(日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者であって第二号被保険者、第三号被保険者のいずれにも該当しないもの)・第二号被保険者(被保険者各法の被保険者または加入者)・第三号被保険者(第二号被保険者の配偶者であって主として第二号被保険者の収入により生計を維持するもの)・任意加入被保険者に分けられます。

1 障害基礎年金について

 初診日において国民年金に加入していれば障害基礎年金の支給対象となります。海外に住所を有し、被用者年金にも加入していなければ障害基礎年金は支給されません。この場合は住所地の国の年金制度に加入することになります。また任意加入する選択肢もあります。さらに社会保障協定により二重加入防止の条約を結んでいる国もあります。

 次に障害年金は老齢年金の出るまでのつなぎの年金であることから60歳から65歳までは日本国内にいる限り任意加入していなくても障害年金の支給対象となります。

 では20歳未満に初診日があった場合は初診日から1年6ヵ月か20歳になったときのどちらか遅い日から出ます。これは憲法25条が生存権の保障を国家の努力目標としたことから初診日に年金加入していなくても認められたものです。もっとも年収要件が付けられています。

 次に20歳未満の保証は公的年金を受けていないなど一定の要件のもと特別扶養手当が支給されます。

2 障害厚生年金について

 障害厚生年金加入者が障害を負った場合は障害厚生年金が出ます。20歳から65歳までは障害厚生年金も併給されるのが原則です。

 65歳以上の厚生年金加入者は原則として障害厚生年金のみですので老齢基礎年金・老齢厚生年金との選択となった場合300月加算されたとしても老齢年金のほうが額は大きくなるでしょう。

3 その他

 老齢年金の支給繰り下げをした場合には65歳となったと見なすので初診日があっても障害基礎年金は出ません。

 支給繰り下げをした場合は障害厚生年金年金支給時以降の繰り下げは認められないので老齢年金との選択となる。