障害年金 両耳全聾(障害等級)

 今回は両耳全聾で障害等級が問題になった事例について少し考えてみようと思います。

 ここで障害に状態は国民年金法施行令別表で定められ、より具体的な障害認定基準がある。

 国民年金法施行令2級2号では「両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの」を掲げる。

 ここで障害の状態は認定すべき時期において直接それにかかる診療を行った医師ないし医療機関が作成した診断書、もしくは医師ないし医療機関が診療が行われた当時に作成した診療録等の客観性のあるいわゆる医証の記載に基づいて作成した診断書、またはこれに準ずる証明力の高い資料でなければならない。

 本件において障害等級認定適格資料は診断書と身体障害者手帳がある。

 診断書は傷病名をアルツハイマー型認知症・脳出血後後遺症としており、両耳全聾とこれらとの間には相当因果関係が認められないことから障害の状態を判断できない。

 次に身体障害者手帳によれば傷病名は迷路性による左右全聾とされ、交付時には「両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの」として身体障害者手帳3級と認定されている。

 問題は障害認定日の数年前に認定されていることから現在の障害を表しているものではないのではないかである。

 請求人の聴力障害は迷路性左右全聾とされ当該傷病の臨床経過からすると高度聴力損失は極めて高度のものであり、それは数年後の障害認定日においても測定時において幾分かの測定誤差が生じる可能性を完全に否定することはできないとしても著しく変動することはなく、同程度の聴力損失が継続していたと認められる。

 とすると国民年金法施行令別表2級2号の要件を満たす。

 したがって障害年金2級が認定されました。