障害年金と取消訴訟

障害年金不服申し立ては原則審査請求の一審制となっているが再審査請求も選択できる。ただし両者ともに棄却裁決となった場合には取消訴訟で争うことになる。そこで行政事件訴訟について少し考えてみたい。

行政事件訴訟には抗告訴訟・当事者訴訟・民衆訴訟・機関訴訟がある。抗告訴訟は行政庁の公権力の行使に関する不服の訴訟である。その類型の一つに取消訴訟(処分の取り消し・裁決の取り消し)がある。

 取消訴訟の訴訟要件(本案審理を続行し本案判決をするための要件)

① 処分性⇒行政庁の法令に基づく行為のすべてを意味するのではなく公権力の主体たる国または地方公共団体が行う行為のうちその行為によって直接国民の権利義務を形成しまたはその範囲を確定する事が法律上認められているもの。

② 原告適格⇒取り消しを求めるにつき法律上の利益(法律上保護される利益)を有するもの

③ 訴えの利益⇒取り消し訴訟を利用するためには原告の請求が認容された場合原告の具体的な権利利益が客観的にみて回復可能であること。

④ 被告適格⇒処分裁決をした行政庁が所属する行政団体(国または公共団体)

⑤ 管轄裁判所⇒被告の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所

 原告の普通裁判籍の所在地を管轄する高等裁判所の所在地を管轄する地方裁判所

⑥ 不服申立前置主義

⑦ 出訴期間⇒処分裁決のあったことを知った日から6ヵ月

 処分裁決の日から1年