診断書作成の問題点

 

障害年金の支給は初診日の1年6カ月後またはそれ以内で症状が固定した日が障害認定日となります。これは短期の障害には健康保険の傷病手当金で生活を保障し長期の障害には障害年金で生活保障しようとするものである。

そして障害認定日に請求しようとする場合には障害認定日の障害等級を審査し、事後重症請求しようとする場合は現在の障害等級を審査します。

障害は交通事故などで手や足を失った場合はその日を認定日としますが通常は発病日から徐々に進行し障害等級に達します。この流れ(線)を見るのが病歴就労状況等申立書です。

これに対し障害認定日、現在の状態(点)を見るのが診断書です。

そして診断書は専門家たる医師がカルテを基礎に専門的知見に基づいて作成することから信用性が非常に高い。またカルテは医師法上作成が義務付けられ日々の診療を記載することから誤りが入り込みにくいため診断書に疑問がある場合確認するのに最適である。

それゆえ障害等級の判断には診断書が最も重視される。一つに専門医が少ないことがあげられる。難病患者では専門医が少なくそこに患者が集中するため診断書を作成する時間がない。すなわち当たり前のことだが第一に人の生命が最優先であり、第二に生活保障が来ます。これは正当な理由になります。

また、病歴就労状況等申立書は請求人が書いたものであるからやはり信用性は低い。すなわち障害年金をもらいたいがために重く書いてしまう傾向にある。そのため、診断書との論理的整合性が求められるのである。

ではこの診断書が取れない場合はどうするか。

たとえば、カルテの保存期間は5年であることから廃棄されることがある。病院が廃院になってしまった場合などである。

話には聞くが医師が診断書の作成を拒否する場合がある。診断書は正当な理由がない限り作成を拒むことはできない。この正当な理由の

では障害年金を受給する権利を行使できないのであろうか。

ここでポイントはカルテにもとずく診断書である。

とするとカルテを開示し医師に依頼する方法が成立する。

ここで困難なのはまず医師の協力が得られないことである。そこで困難を承知の上でオピニオン外来など協力を募るほかあるまい。

幸か不幸か私の依頼者にはここまで困った人はいないので経験はないが相当数の困っている障害者がいれば医師会に話を持ちかけるなど考えてみたい。

ここで認定日請求にこだわるのは結局金だろうという意見もあります。しかし考えてもらいたいのは障害年金を請求する人の多くは経済的に困っている人である。1級2級は働けない程度の障害・3級は働くことが著しく困難な障害である。どうやって収入を得るのであろうか。子供がいたら少しでも多くもらいたいと考えるのは自然である。私はできる限り認定日請求にこだわりたい。

次にカルテがすでに廃棄されている場合はどうであろうか。

まず事後重症請求に関しては現在の診断書が使えるので診断書に関しては問題は生じない。問題は初診日証明となる。これについては別項で論じてみたい。

問題となるのは障害認定日請求である。

まず障害認定日の診断書がない以上障害認定日の診断書は作成できない。

これでは簡易迅速な国民の権利救済に資するため正確性の高い証拠方法に限定したことがかえって国民の権利救済を妨害する要因となってしまう。

そこで障害認定日3カ月以内の診断書が提出可能であることから転移がこの期間にあれば診断書を作成し使うことは十分に可能である。もちろんこの時の状況を様々な角度から検討するために客観的に労働能力・日常生活能力を示す証拠を集めるべきである。

次に障害認定日より年月がたっている場合はどうか。

傷病の性質から徐々に悪化していく性質または、よくなったり悪くなったりを繰り返す性格を考えできるだけ障害認定日に近い診断書を集め(診断書の開示請求を含む)現在の主治医に推測して書いてもらう方法がある。この場合障害認定日から大きな変化(手術など傷病の性質から推測が困難な事情)があった場合は推測は不可能になるかもしれない。

以上普段から考えていることを書いてみたがこれらはあくまでも例外的な方法で事案によってできるかできないかが大きく影響を受けると考えられる。私としてはあらゆる手段を駆使して努力してみたい。