障害年金 統合失調症(初診日)

 今回は統合失調症で初診日が問題になった事例について少し考えてみようと思います。

 いつも言っていることですが初診日は、障害厚生年金は出るか、保険料納付要件を満たすか、障害認定日は五日を決める基準となることから非常に重要です。

 本件では認定された初診日が国民年金被保険者期間中にあることから厚生年金被保険者期間中にあるのではないかが争われたわけです。

 そして障害厚生年金には障害等級が3級まであり、1級2級には障害基礎年金も支給され、配偶者加算もつきます。

 ここで初診日に関する証明資料は直接診療に関与した医師または歯科医師が作成したもの、またはこれに準ずる証明力の高い資料でなければなりません。

 本件では請求人主張の初診日の裏付けとなる資料が提出できませんでした。すなわちカルテが廃棄されてしまったため初診日証明のための受信状況等証明書が提出できませんでした。この裁決例の出た頃はまだ第三者証明も使えませんでした。あとは健保の記録を探るなど探偵にでもなったつもりであらゆる手段を使って資料を集める必要があります。

 結局厚生年金被保険者期間中に初診日があったことは証明できませんでした。

 したがって障害厚生年金は支給されませんでした。