離婚後の内縁(配偶者加給年金)

【問題提起】 配偶者が離婚した時は加給年金額を加算しないものとする。それにもかかわらず加給年金の支給を求めることはできるか。

 

【規範定立】 加給年金額を加算しない事由として「配偶者が離婚をしたとき」(厚年44条4項3号)を挙げる。

 

【あてはめ】 請求人は協議離婚をしている。協議離婚は当事者の意思に基づいて婚姻関係が解消する制度である。

 そして離婚届けは公示の必要性から要求されるもので離婚届けがお互いの意思に基づいて行われた以上、引き続き離婚前と実態的に変わらない状態であっても「配偶者が離婚した時」に該当する。

 なお、本件は法律上の配偶者が離婚によりその身分上の地位を喪失したことにより加給年金額が加算されなくなった処分に対する請求である。

 事実上婚姻関係と同様の事情があり生計維持関係もあるから配偶者と認めることについては審理の対象にならない。

 

【結論】 したがって配偶者加給年金は支給されない。