13 肝疾患による障害

肝疾患による障害の認定の対象うは慢性かつびまん性の肝疾患の結果生じた肝硬変症及びそれに付随する病態である。

そして肝臓の機能は代謝機能(飢餓時における血糖維持・高血糖時のグリコーゲン産生と脂肪合成など) 分泌作用(アルブミンの産生と血中への放出・胆汁の産生と胆道への排出など) 排泄解毒作用(エタノール分解・薬剤の代謝排泄など)を担っている。

そしてこの機能が侵害されていく過程が肝疾患である。

肝疾患は一般に肝炎(急性肝炎・慢性肝炎・肝硬変)から肝不全へと進行していく。

ここで急性肝炎は6ヵ月以内に治癒する場合をいい、それ以上の場合を慢性肝炎という。原則として慢性肝炎は障害年金の対象としない。これは肝臓は障害があってもなかなか症状として現れないため肝炎が進行してはじめて気づくこともあるように労働能力は失われていないためである。

肝炎の指標となるのが血清ALT値(基準値30IU/ℓで幹細胞の破壊が進むと子の値が上昇する。

次に肝硬変は肝蔵の繊維化により肝機能の低下と門脈圧亢進を起こした状態をいう。

そして肝不全とは肝蔵の臓器としての機能が破たんした状態をいう。

治療法としては原因療法・抗炎症療法・栄養療法・合併症に対する治療がありこのような治療により改善しない場合肝移植が検討される。

肝移植を受けた場合臓器が生着し安定的に機能するまでの間を考慮して術後1年間は従前の障害等級とする。