166 障害年金 蘇生後脳症(障害認定日)

 今回は蘇生後脳症で障害認定日が問題になった事例について少し考えてみようと思います。

 ここで障害認定日とは初診日か来年6月後またはそれ以内で傷病が治った日をいいます。

 傷病が治った場合とは器質的欠損もしくは機能障害を残している場合は医学的に傷病が治ったとき、または、その症状が安定し長期にわたってその疾病の固定制が認められ医療効果が期待し得ない状態に至った場合をいう。

 そして遷延性植物障害についてはその障害の状態に至った日から起算して3月を経過した日以後に医学的観点から機能回復がほとんど認められない時とする。

 これは治ったとはいえないまでもそれに類する状態が3月経過した場合は障害認定日としてよいということでしょう。

 本件では身体障害者手帳1級を取得しており傷病名が疾病による四肢機能障害としていることから肢体の障害用診断書で請求し肢体の機能障害で判断されることを考えていたのかもしれない。残念ながら裁決例からはいかなる診断書で請求したかまでは読み取れない。

 しかしこの時期は蘇生後脳症に直接起因する呼吸器系感染症等の合併症に対する治療も継続して受けている時期であって気管切開や経管栄養等に対する医療措置が継続していた時期である。

 とすると四肢機能障害としては機能回復はほとんど認められないとしても他に医療効果を期待しうる状態があるのならば障害認定日とは認められない。

 やはり初診日後1年6月を待つべきでしょう。

 したがって請求は棄却されました。