障害年金 HIV感染による免疫機能障害(エイズ)(障害等級)

 今回はHIV感染による免疫機能障害で障害年金受給権者が更新時に支給停止された事例について少し考えてみようと思います。

 HIV感染はかつては死の病でしたが、現在では服薬によりエイズの発症を抑えられ一生付き合う病となっております。それでも薬の副作用は悩みの種ですが改良がなされていくことと思います。

 社会保障体系全体の中で見ていくと適切な治療を行い、それでも傷病から発する症状が労働能力・日常生活能力に影響を与える場合に障害年金の支給がなされることを考えると、HIV感染での障害年金受給は根がなくなっていくのではないでしょうか。

 また、検査で発見される人はこのような流れになりますが、検査を受けずにエイズの発症で感染が判明する場合は、初診日から1年6月後が障害認定日となるので障害年金受給には至らないものと考えられます。もちろん例外的な場合はあるとは思いますが。

 ここで「ヒト免疫不全ウイルスかかる障害認定」よると、続発症(ヒト免疫不全ウイルス消耗症候群・日和見感染症)の有無、及びその程度及びCD4値等の免疫機能の低下の機能を含む検査所見、治療及び症状の経過を十分考慮し労働及び日常生活上の障害を総合的に認定することとする。

 そして障害等級2級の一部例示として「エイズの指標疾患や免疫不全に起因する疾患または症状が発生するがその既往が存在する結果、治療または再発防止療法が必要で、日常生活が著しく制限されるもの」が掲げられている。

 本件ではここまでの症状は確認できず障害等級2級の例示には該当しない。

 従って障害基礎年金の支給停止されたことは相当とされました。