障害年金 脊髄損傷(障害等級)

 今回は転医による脊髄損傷で障害等級が問題になった事例について少し考えてみようと思います。

 本件では両下肢に障害を生じているので障害認定基準では肢体の障害で判断される。そして障害等級1級として「両下肢の機能に著しい障害を有するもの(両下肢の用を配したもの)」が掲げられている。そして提出された診断書の事実をあてはめてみるとこの要件に当てはまる。

 では何が問題かというと障害認定日の障害の状態を判断するためには障害認定日以後3ヶ月以内の現症日のある診断書で行うこととされている点である。本件では障害認定日以後6月を現症日とする診断書が提出されている。したがって障害の状態が判断できないのではないかというわけです。

 対処法としては症状の固定制や、傷病の性質から証明する方法や、障害認定日前後の診断書を提出して傷病の性質から急激な変動はあり得ないことを証明することなどが考えられる。

 本件では障害認定日後6ヶ月を現症日とする診断書と数年後の請求日現在の診断書が障害に状態が変化していないことから障害認定日の障害の状態も同じと認定されている。すなわち転移後脊髄腫瘍のための手術が脊髄損傷の原因となっており、その症状の固定制が認められ障害の状態が判断できるという流れになっています。

 したがって障害等級1級が認定されています。