不服申立て裁決例 統合失調症

★不服申立て再審査請求社会保険審査会で初診日が争われた事例。請求人主張の20歳前請求が認められれば保険料納付要件が不要になることから問題になる。

[問題提起]  初診日は20歳到達前と認定できるか。

 

[規範定立]  統合失調症はない陰性の精神病で発病が最も多いのは17歳から27歳までであるとされ、

        その経過は通常前駆症状として神経衰弱状態を呈し、強迫症状・抑うつ状態や不眠症を

        呈することはあるが、その段階においては妄想知覚や妄想着想などといった統合失調症に

        特徴的な症状は出現せず、この時期に診断を受けた場合には神経性障害・うつ病などと

        診断されやすい。

                                      ↓

         このような状態で数年が経過するうちに統合失調症に特徴的な症状が現れ、統合失調症の

        確定診断がなされる。

 

[あてはめ]  とすると20歳前に甲医師が請求人を診断した日において統合失調症の前駆症状ないし

        初期症状を発症しており、その後症状が徐々に憎悪し、最終的に統合失調症との診断結果と

        なったとみるのが相当である。

 

[結論]     したがって、甲医師が診断した日を初診日として認定する。