医師と社労士の関係

たまに耳にする事例で障害年金の支給を認めさせたいがために社労士が医師に働きかけて診断書を重く書いてもらうように依頼する場合がある。

まず医師が公務所に提出すべき診断書に虚偽の記載をしたときは虚偽診断書作成罪(刑法160条)で処罰される。

虚偽診断書作成罪で処罰することにより文書の構成に対する国民の信頼を守ろうとしたのである。

もっとも診断の内容は医師の医学的知見に基づいて記載されることから相当に幅のあるものである。虚偽の記載か否かは慎重に判断されなければならない。

では社労士は罪に問われないのであろうか。

まずこのような例はないであろうが暴行脅迫を用いて義務のない行為を医師に行わせた場合は強要罪として処罰される。

次に医師の任意性が失われていない場合は虚偽診断書作成罪の共同正犯が成立すると考える。

虚偽診断書作成罪は医師という身分を有する者の犯罪であるが被身分者も身分者を利用して法益を侵害する事が出来るので被身分者である社労士にも成立しうる。

また教唆犯か共同正犯かが問題になるも自己の犯罪として行ったか否かで判断すべきである。とすると障害年金の支給を認定させることにより報酬を受けることになるので医師に重く書くように働きかけることは自己の犯罪となろう。したがって虚偽診断書作成罪の共同正犯が成立する。

次に医師の任意性が失われていた場合はどうか。

この場合は社労士に虚偽診断書作成罪の間接正犯が成立し医師は無罪となろう。

我々社労士は依頼者のために業務を遂行していくがくれぐれも行き過ぎないように気お付けていきたい。