障害年金 うつ病(障害等級)

 今回はうつ病で障害等級が問題になった事例について少し考えてみようと思います。

 本件では障害認定日請求を行い障害等級不該当とされている。そして障害年金は社会保障全体の枠組みの中で考えなければ納得できない裁決例です。傷病についてはまず治す、もとどおりにならない場合に生活保障をどうするかの問題が出てきます。

 ここで障害の状態は国民年金法施行令別表・厚生年金保険法施行令別表で定められより具体的な障害認定基準がある。そして障害認定基準が適正に行われるようにするため精神の障害にかかる等級判定ガイドラインがある。

 本件を等級判定ガイドラインの障害等級の目安に当てはめてみると日常生活能力の判定は3.28、日常生活能力の程度は4で2級ということになる。しかしこれはあくまで目安でありすべての事情を元に総合考慮し負ければならない。

 とすると請求人はうつ病と診断され薬物療法を開始したがしばらくして通院を中断し、再開後も薬の副作用がひどいことから勝手に服薬を中断している。ちょうどそのときに障害認定日があったわけです。

 とすると精神療法・薬物療法の治療効果が十分に認められない時期に一般企業に一般雇用で週5日、フルタイムで勤務し続けていることを総合考慮すれば、労働に制限を加える程度のものに該当するものとは認められないとしました。

 結局障害等級不該当として障害年金は支給されませんでした。