67 障害年金 うつ病(障害等級)

 今回はうつ病で障害等級が問題になった事例について少し考えてみようと思います。

 本件は初診日厚生年金被保険者で障害認定日障害等級不該当とされたことから3級に該当するかが争点ということになる。

 厚生年金は働いている人の上乗せ給付であることから労働能力が失われた場合だけではなく労働能力が制限されている場合にも支給される。

 そして現に仕事に従事しているものについてはその療養状況を考慮しその仕事の種類・内容・従事している期間及びそれらによる影響も参考とする。

 診断書記載の事実を精神の障害にかかる等級判定ガイドラインにあてはめてみると、日常生活能力の判定は2.83、日常生活能力の程度は4で2級ということになる。

 次に現に仕事に従事していることからその状況を検討してみると、電車を用いて1時間の通勤をこなし、ハイヤーの乗務員として月20日の乗務をこなし、継続して給与・賞与が支払われている。

 とするとひとりで十分に仕事をこなしていることがうかがわれ3級の要件である労働が制限されているとまではいえない。

 したがって請求は棄却されました。