障害年金の計算の落とし穴

 障害年金は老齢年金が出るまでの生活保障である。障害は保険料がそれほど払い込まれていない時期に生じます。そのため障害基礎年金は480カ月払い込まれたとして計算されます。また障害厚生年金は被保険者期間の月数が300月未満の場合には300月の支給が保障されます。それゆえに比較的大きな額の障害年金の支給が期待できます。

ただし時々注意しなければならない事態が生じます。それは障害基礎年金は定額なので問題はないのですが障害厚生年金は報酬比例の年金で、平均報酬月額・平均報酬額を使っていることから問題が出てきます。

 ここで平均報酬月額とは平成15年4月1日前の被保険者期間の標準報酬月額を平均した額です。

 また平均報酬額とは平成15年4月1日以後の被保険者期間の標準報酬月額と標準賞与額の総額を被保険者月数で除した額を言います。

 そこで保険料納付済期間の短いもの仮に若いころの未統合記録が見つかった場合(通常若いころは給料は安い)平均標準報酬月額・平均報酬額が下がってしまう場合があります。

 これが下がると障害厚生年金の額が下がるということになります。

 ただし減額となる場合訂正不要の申し出をすると減額しないで受給することは可能です。

 では何とか働いて保険料納付済期間が増えた場合はどうなるでしょうか。

 老齢基礎年金は保険料納付済期間の月数が多いほど額が上がります。老齢厚生年金は300月加算はなく保険料がどのくらい払い込まれたか、保険料を払い込んだ期間はどのくらいかで額が決まります。

そのため未統合記録を加算すると老齢年金が増える場合が出てきます。

 同様の問題は遺族年金でも生じます。

 じっくりと考えて答えを出すべき問題です。