不服申立て裁決例 心臓機能障害(障害等級)

★不服申立て再審査請求社会保険審査会で心臓機能障害の障害等級が3級に該当するかを争った事例。

[問題提起]     障害認定日における請求人の心臓機能障害による障害の状態が3級に該当するか。

 

[規範定立]     厚年令別表第一は障害等級3級の障害の状態の一つとして「前各号に掲げるもののほか

           身体の機能に労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要と

           する程度の障害を残すこと」(12号)が掲げられている。

                                    ↓

            障害の程度を認定するためのより具体的な基準として障害認定基準があるが、

           障害の認定及び給付の公平を期するための尺度としてこれに依拠するのを相当とする。

                                    ↓

            障害認定基準では心疾患による障害は呼吸困難・心悸亢進・尿量減少・夜間多尿・

           チアノーゼ・浮腫等の臨床症状・エックス線・心電図等の検査成績・一般状態・治療及び

           病状の経過等により総合的に認定する者とし労働が制限を受けるか又は労働に制限を

           加えることを必要とする程度のものを3級に該当するものとする。

                                     ↓

            そして虚血性心疾患の3級の障害の状態は、異常検査所見が一つ以上、かつ、心不全        

           あるいは狭心症などの症状が一つ以上あるもので、かつ、一般状態区分表のイまたはウに

           該当するもの。

 

[あてはめ]     自覚症状として呼吸困難・息切れがあるものの、他覚所見は認められず異常検査所見

           に該当するものはない。

            そして一般状態区分表はイである。

 

[結論]        3級には該当しない。