年金事務所での対応

 経験ではいくつも障害をお持ちの方で診断書をどう見ても1級としか思えないような方がいらっしゃいました。この方は生活のためどうしても働かなければならず無理に無理を重ねている方でした。年金事務所は働いているという一点だけで一級は無理といってきました。では働いただけで障害等級は下げられるのでしょうか。

 ここで障害年金は老齢年金が出るまでに労働能力を喪失した場合の生活保障である。そして障害等級を簡単にいえば3級が労働が著しく困難な状態、2級が日常生活が著しく困難な状態、1級は日常生活ができない状態である。この定義に形式的に当てはめれば働いている以上障害年金は出ないことになる。

しかし目の不自由な方、耳の不自由な方、両足を失った方など立派に働いている方は大勢います。なぜこの人たちは障害年金が出るのでしょう。

さらに厚生労働省は障害認定基準を作成し障害等級該多くの人が働いていたら障害年金はもらえない。更新時に障害等級が下げられる。といいます。実は年金事務所の相談では「働いていたら障害年金なんてもらえませんよ」と面と向かって行ってくることがたまにあります。この人は障害年金について初心者であると信じたいのですが。なぜ働いているだけで障害等級を判断する事が出来るのでしょうか。不思議でなりません。

やはり障害等級を判断する基準として作成したのならばその基準に基づいて判断されるべきであろう。仮に例外を認めるのならばその例外要件は明記されるべきであろう。でなければ行政に恣意的な運用を認めることになる。

このような運用がなされるのならば是正のために司法の役割が期待される。実務は判例を前提に動いている。ならば司法審査に進んで争われるべきであろう。

 早く私も法曹となりたいものである。