診断書未提出

[問題] 更新時に傷病1(右変形性膝関節症)の現状診断書を提出せず、傷病2(うつ病)の現状診断書を提出した。

 それがため障害等級が1級から2級へ改定する処分が行われた。

 この処分は適法か。

[論理] 障害基礎年金の受給権者が現状診断書を提出しない場合に以下の手続きを予定している。

1 正当な理由がなく現状診断書を提出しなかったとして障害基礎年金の支払いを一時差し止める(73条)。

2 保険者は差し止めに引き続き診断書の提出命令ないし受信命令を発出し(107条)、受給権者がそれに従わない場合障害基礎年金の額の全部または一部につきその支給を停止する。

3 本件では診断書の提出命令があったと見ることは困難であるといわざるを得ない。

 そうすると2級へ改定する処分は適法に行われたということはできない。

[解説] 支払い差し止めとは差し止め時から支給は止まるが、解除されれば差し止め時にさかのぼって支給されることをいう。

 支給停止とは停止時から支給は止まり、解除されれば解除時から支給されることをいう。