★不服申立て再審査請求の裁決例を使って論理の流れを重視してわかりやすく書いていこうと思います。
[問題提起] 障害認定日に躁うつ病による障害の状態が国年令別表にかかげる程度に該当するか。
[規範定立] 精神の障害であって前各号と同程度(日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度)以上と認められる程度のもの(国年令別表2級16号)
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給付の項へのためより具体的な障害認定基準を使う
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障害認定基準によると
2級 躁うつ病は症状の著名な時期と消失する時期を繰り返すので、症状の経過、及び日常生活活動等の状態を考慮
[あてはめ] 1 病状ーーー抑うつ状態
2 日常生活能力の判定
適切な食事ーー自発的にできるが援助が必要(2)
通院と服薬ーー 同上
身辺の清潔保持ー自発的にできないが助言や指導があればできる(3)
金銭管理と買い物ー 同上
他人との意思伝達ー 同上
身辺の安全保持ー 同上
社会性ーーーーー 同上
3 日常生活の程度 (3)
等級判定ガイドラインによれば日常生活能力の判定は
(2×2+3×5)÷7=2.7
これと日常生活の程度(3)を等級の目安に当てはめると 2級か3級になります。
次に総合評価として考慮すべき要素として ①現在の病状または病態像
②療養状況
③生活環境
④就労状況
⑤その他
さらに上記以外の事情も診断書や本人家族等が記載する書類から認識できる事項も考慮する
残念ながらこれらの事項は裁決例では記載されていません。ただし裁定請求は書面審査ですのでこれらの事項が読み取れる診断書、病歴就労状況等申立書を作成しなければなりません。
[結論] 障害の状態は国年令別表に掲げる状態に該当しない。