★不服申立て再審査請求で化学物質過敏症の障害等級が2級に該当するかが争われた事例。ポイントは環境要因を自主的に遠ざければ日常生活が営めたのかにある。
[問題提起] 障害認定日及び裁定請求日当時における障害の状態が国年令別表に掲げる2級の程度に
該当するか。
[規範定立] 障害の程度として国年令別表がある。
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より具体的な基準として障害認定基準があり州府の公平を期するためにこれに依拠するのを
相当とする。
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障害認定基準のその他の疾患による障害の程度は全身状態・栄養状態・年齢・術後の経過
予後・原疾患の性質・進行状況等、具体的な日常生活状況等を考慮し総合的に認定する
ものとする。
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そして身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状があり、日常生活が
著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のものを
2級とする。
[あてはめ] 障害認定日ごろ(裁定請求日ごろも同じ)
1 一般状態区分 ウ 歩行や身の回りのことはできるがときに少し介助が必要なこともあり、
軽労働はできないが日中50%以上は起居しているもの。
2 自覚症状 頭痛・せきこみ・吐き気・目の刺激感・充血・胸苦しさ・肩こり・倦怠感・関節痛
などの多彩な症状が出現し、これらの症状は微量化学物質により容易に悪化する状態が
続いている。
3 他覚所見 初診時に検出された眼球追従運動障害・自律神経失調が存続しているとされ
日常生活にも支障をきたしている。
ただし環境要因を遠ざけるなどの生活改善により自分に適した環境であれば日常生活は
可能と認める。
また外出などが全く困難なわけではない。
[結論] 国年令別表2級の程度には該当しない。