[問題] 1初診日はいつか。
2 保険料納付要件は満たされているか。
3 裁定請求日における障害の状態が障害等級に該当するか。
[論理] 1 初診日に関する証明書類は直接これに関与した医師または歯科医師が作成したもの又はこれに準ずるような証明力の高い資料でなければならない。
本件では医師作成の受信状況等証明書により初診日が___と考える。
ここで初診日に厚生年金の被保険者ではないので障害厚生年金の受給権は発生しない。
2 本件初診日の前日において本件初診日の属する月の前前月までの請求人の国民年金の被保険者期間は___月であり、保険料納付済期間は___月、保険料免除期間は___月であり被保険者期間の3分の2以上ある。
したがって保険料納付要件を満たしている。
3 2級の障害基礎年金が支給される障害の状態として国年令べぴょうに掲げられている。
そして障害の程度を認定するための具体的基準として障害認定基準があり、給付の公平を期するための尺度としてこれに依拠するのを相当とする。
障害認定基準の腎疾患による障害の程度は自覚症状・他覚所見・検査成績・一般状態・治療及び症状の経過・人工透析療法の実施状況・具体的な日常生活状況等により総合的に認定するものとし、当該疾病の認定の時期以後少なくとも1年以上の療養を必要とするものであって、長期にわたる安静を必要とする病状が日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のものを2級に該当するものとする。
本件において請求人の本件障害の状態は国年令別表の2級に掲げる程度に該当すると認められる。
[解説] 本件は初診日の重要性がよくわかる事例である。
初診日に厚生年金に加入しているか否かで障害厚生年金の受給権が発生するか否かが決まる。また保険料納付要件・障害認定日も初診日を基準にして決まる。このような重要な役割を有することから証明力の高い資料が使われる。ただし本来ならば証明力の前に証拠能力が問題になります。