うつ病(初診日)

[問題] 本件における初診日はいつか。

[論理] 初診日に関する証明資料は直接それに関与した医師または医療機関が作成したもの、またはこれに準ずるような証明力の高い資料でなくてはならない。

 また、障害の程度を認定するための具体的な基準として障害認定基準があるが給付の公平を期するための尺度としてこれに依拠するのが相当である。

 障害認定基準によると初診日とは「障害の原因となる傷病につきはじめて医師または歯科医師の診療を受けた日をいう」とし同解説で「障害の原因となった傷病の前に相当因果関係があると認められる傷病があるときは最初の傷病の初診日が初診日となる」。

 本件における事実によればうつ病と診断される前に不安神経症と診断されておりそれはうつ病と相当因果関係があるとされている。

 したがって不安神経症の初診日がうつ病の初診日となる。

[解説] 裁決例は日時が抜けているので非常に読みにくいが最初に不安神経症と診断されそれ以後のうつ病との相当因果関係を詳細に事実を検討した上で認めたものである。

 この裁決例でも気反定立・当てはめ・結論という法的三段論法が使われているのが分かる。