[問題] 障害厚生年金は疾病にかかりまたは負傷したものがその傷病にかかる初診日から起算して1年6ヵ月を経過した日(その期間内にその傷病が治った場合はその治った日)においてその傷病により厚年法施行例別表第一に定める程度(3級)以上の状態にある場合に支給される。
本件では障害認定日がいつかが問題になる。
[論理] まず障害認定基準は給付の公平を期するための尺度としてこれに依拠するのが相当である。
「障害が治った状態」とは器質的欠損若しくは変形又は機能障害を残している場合は医学的に傷病が治ったとき又はその症状が安定し長期にわたってその疾病の固定性が認められ医療効果が期待しえない状態で、かつ、残存する症状が自然経過により到達すると認められる最終の状態(症状固定)に達した時をいう。
本件において遷延性意識障害、四肢まひ、気管切開、軽管栄養、感染管理等重篤な状態に対して統括的な医療管理下に置かれている状態で、かつ、残存する症状が自然経過により到達すると認められる最終の状態に達したとは認めることはできない。
したがって障害認定日は初診日から起算して1年6ヵ月経過した日とするのが相当である。
[解説] 健康保険法には傷病手当が定められているので1年6ヵ月はこれで生活を維持し、長期的には障害年金で生活を維持する。もっとも、障害年金も有期認定が原則であるから傷病を治して復帰する必要がある。
なお、国民健康保険では傷病手当は任意規定となっているので規定されない場合が多くある。
業務災害の場合は労災で支給され、障害年金と併給できる。