障害年金 遺伝性球状赤血球症(障害等級)

 今回は遺伝性球状赤血球症で障害等級が問題になった事例について少し考えてみます。

 本件では20歳前障害ですので障害等級2球以上であることが必要です。

 ここで障害認定基準では血液・造血器疾患で判断され、障害等級2級の例示として溶血性貧血の場合はA表Ⅱ欄に掲げるもののうちいずれか一つ以上の所見があり、B表Ⅱ欄に該当するもので かつ 一般状態区分表のエ又はウに該当するものが掲げられています。

 まず遺伝性球状赤血球症は先天性の赤血球の携帯以上による赤血球寿命の短縮に起因する溶血性貧血である。

 本件において障害認定日である20歳前後3ヶ月を現症日とする診断書がないことが問題になる。

 その代わりに障害認定日前後1年の診断書は2通あり、いずれも障害等級2級の例示に該当している。

 そして一般の赤血球の寿命は90日とされているのに対し、請求人の場合4.7日と極端に短くなっている。この赤血球の寿命の短縮は治療によって改善されるものではないので障害認定日を挟む前後1年の診断書が障害等級2級の例示に該当している以上20歳の障害認定日でも2級の状態にあると認定できる。

 したがって障害認定日に障害等級2級の障害基礎年金が支給されました。