今回は若年性アルツハイマー型認知症で障害等級が問題になった事例について少し考えてみようと思います。
本件では事後重症請求3級が認定されているので障害等級2級に該当する会中が問題になります。
ここで障害の状態は国民年金法施行令別表で定められ、より具体的な障害認定基準があります。
本件において若年性アルツハイマー型認知症から発する症状からして症状性を含む器質性精神障害で判断することが相当と考える。
ここで症状性を含む器質性精神障害とは先天異常・頭部外傷・変性疾患・新生物・中枢神経等の器質障害を原因として生じる精神障害に膠原病や内分泌疾患を含む全身疾患による中枢神経障害等を原因として生じる症状性の精神障害を含むものである。
そして症状性を含む器質性障害の障害等級2級の一部例示として「認知障害・人格変化・その他の精神神経症状が顕著なため、日常生活が著しい制限を受けるもの」をかかげている。
本裁決例が出た当時は精神の障害にかかる等級判定ガイドラインはまだ出ていませんでしたがここで当てはめてみます。
まず障害等級の目安は日常生活能力の判定が3.4、日常生活能力の程度が3で2級となる。最もこれはあくまで目安でありすべての事情を総合考慮して考えることになる。
医師の結論部分である現症時の日常生活能力及び労働能力は「ごく簡単な習慣化した家事は可能であるが随時の判断を要求される込み入った日常生活能力は困難で労働能力は全くない」とされています。
本件では障害等級2級が認定されず3級となってますが、裁決例の記載では明確にどこが原因か不明です。
おそらく診断書の記載に矛盾が認められ記載が重なり合う範囲で認められたのではないだろうか。