今回は双極性感情障害で障害等級が問題になった事例について少し考えてみようと思います。
本件では障害認定日等級不該当、事後重症請求障害等級2級を認定し、後に障害認定日3級に処分変更し、そのため裁定請求日2級へ額改定をする処分に改めている。
なぜ額改定に改めるかわかりますか。予備的併合がどのような性質かを考えればわかります。
そして本件でのポイントは障害認定日当時復職に向けて回復傾向にあった点にあります。
すなわち診断書を精神の障害にかかる等級判定ガイドラインの障害等級の目安の当てはめてみると日常生活能力の判定は3.42、日常生活能力の程度は4で障害等級2級となります。ただしこれはあくまで目安でありすべての事情を総合考慮して判断しなければなりません。
そのため回復傾向にあったことをどのように考えるかで決まります。
本件では障害認定日から1年以上を経過していることから、現実に障害認定日当時の障害の状態が続いているかを判断できるわけです。
とすると障害認定日当時回復傾向にあったとしても復職はかなわず、請求日現在の診断書につながるわけですから回復傾向はあったが、現実には回復しなかったとみるべきでしょう。
結局、原処分を取り消して障害等級2級の障害年金を支給しています。