今回は難治性うつ病で障害等級が問題になった事例について少し考えてみようと思います。
本件では障害基礎年金2級を有期認定されており、更新時に障害等級不該当とされていることから障害等級2級に当たるか否かが問題になる。
障害認定基準では2級の例示として「気分・意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、かつこれが持続したりまたはひんぱんに繰り返したりするため日常生活が著しく制限を受けるもの」と掲げている。これ非常にわかりにくいですよね。1人で行うことを前提として国民年金法施行令別表2級、厚生年金保険法施行令別表3級を比較してみると、傷病から発する症状(障害)が労働能力を失わせ、日常生活も人の助けなしには成り立たない状態のことを言うと私は考えています。
まず精神の障害にかかる等級判定ガイドラインの障害等級の目安にあてはめてみると日常生活能力の判定が3.1、日常生活能力の程度が4で障害等級は2級となる。もっともこれはあくまで目安でありすべての事情を総合考慮して判断する必要がある。
本件では一人暮らしであるのも関わらず障害の程度は悪化しているとされる点が争点となる。
そこで保険者が医師に紹介をかけていますが、それによるとマンションで福祉サービスの利用もなく一人暮らしができており、外出も可能で日常生活を維持するための社会性についても他人による助言指導もなく維持できている。
とすると労働能力は失われているとされているが、日常生活能力は人の助けを借りることなくどうにかなっていると判断できる。
したがって障害等級2級の状態にはなく障害基礎年金の支給停止は相当と考えられる。