173 障害年金 不安障害・発達障害・てんかん(障害等級)

 今回は不安障害・発達障害・てんかんで傷害等級が問題になった事例について少し考えてみようと思います。

 さっそくあてはめに行ってみますと診断書記載の事実からは日常生活能力の判定が2,71 日常生活能力の程度が4で傷害等級のめやすは2級となります。もっともこれはあくまでめやすであってすべての事情を総合考慮して検討する必要があります。

 まずてんかん発作については抗てんかん薬の服用や外科的治療によって抑制されている場合には原則として認定の対象とはしない。本件では抗てんかん薬で発作を認めなくなっていることからてんかんは認定対象とはならない。

 次に社会不安症は神経症の部類に属し神経症は認定対象とはならない。この点についていろいろ問題はありますが今度神経症で依頼があった場合には自分の考えている論理を通して争ってみたい。

 とすると診断書が発達障害の障害の状態を表したものならば問題はなくなる。

 診断書では「人のいるところでは強く緊張して恐怖感が出現、家で自閉していることが多い。これは発達障害がベースにあると考える」とある。

 これは診断書記載の事実が発達障害のみではなく社会不安障害も含めて記載されていることを意味している。

 とするとこの診断書から発達障害のみを判断することはできない。

 したがって請求は棄却されました。